初の成果発生にびっくり

私の付添は、昼の12時から、夜8時まで。

 

父は、自分は治って家に帰れるものと信じて疑っていない様子でした。




「お前、仕事は休んでも大丈夫なのか?」




と、私の仕事の事を、しきりに心配してくれていました。私は自営業で、
店舗などを運営している訳でもないため、自分が休もうと思えば、
いくらでも休む事が出来ます。




この時ばかりは、今の仕事をしていて良かったと思いました。
(労働収入なので、自分が働かなければ、すぐに収入は途絶えてしまいますが)




1日8時間の付添は長く、父とは随分色々な話をしました。
たわいもない世間話ばかりでしたが、よく考えたら、
私は、18で家を出て以来、父とはほとんど話す機会もありませんでした。




親父がうとうとと微睡んでいる間は、私はする事もなく手持無沙汰になります。
持ち込んだノートパソコンを開いて、ブログを更新しました。




もちろん、文字数300字程度、安定の薄い記事です。
ふと管理画面を見ると、本日の成果発生の欄が0以外の文字になっていました。




初の成果発生でした。「おおっ!」と思わず声を上げ、
父を起こしてしまいました。



父「どうした?何かあったか?」




井戸掘りグマ「あ、ごめん。仕事でここ3か月くらい取り組んでいた
案件でようやく成果がでたんで。」




父「おお。良かったな。1000万くらい入ってくるのか?」




うちの親父は、小さいですが会社を経営していたため、
私よりもお金を扱う単位というか器が大きいのです。



井戸掘りグマ「いや、そこまでじゃないけど100万ちょいかな。」




父「そうか。いいじゃないか。手堅くやってるな。」




アフィリエイト初報酬の金額は141円



父は、私が仕事を休んでいる事を心配していたので、
安心させようと、少しばかり見栄をはってしまいました。




その時ノートパソコンに映し出された金額は、「141円」
amazonからの発生でした。




7月の終わり、病室から見る夕焼けの色が異様に美しい、
夏の初めの暑い日でした。
アフィリエイトをはじめて丁度3か月が過ぎた頃でした。




父は、その後約2週間、懸命にがんばりました。
最後は、すっかり衰弱し、寝返りをうつことも、
自分で食事を取る事すら出来なくなっていました。




亡くなる当日の昼、「スプーンをかしてくれ。」というので、
スプーンを手渡すと、父は震える手で味噌汁をすくい、
一口飲み干しました。




そして、「どうだ。昨日は出来なかったが、今日は自分で飲めたぞ。」と
私に向かって嬉しそうに笑いました。




その日の夜、父は死にました。
人間は、亡くなるその日にすら成長できる。
生きている以上、1センチでもいい。前へすすめと。
人生くすぶり続けている私にそう教えたかったのでしょう。
あっぱれな最後でした。




その後、通夜から始まり、葬式、49日まで、ジェットコースターのような
忙しい毎日でした。父は商売をしていたため、友人、知人も多く、
私は、田舎の葬式の大変さを身を持って知りました。




そんな日々の合間にも、ブログの更新は続けました。
もちろん文字数300文字程度、たんたんと薄い記事です。